高大連携の取り組み

高大連携の取り組み


 最近、特に大学入試制度改革に関わって、「高大連携」や「高大接続」という言葉が広く知られるようになりましたが、横須賀学院では、この言葉の流行するずっと前から、大学や研究機関の研究者や社会人の方を講師としてお招きし、専門性の高い講義や実習を体験できる取り組みをキャリア教育の一環として実施してきました。
 ある時点での試験成績や、狭い経験だけで進路選択するのではなく、生徒一人ひとりが持ち味に気付き、どのように社会参加したいのか自らに問い、今の学習活動の先にどのような未来が拓けているのか垣間見る場と、課外での探究活動へ向かうきっかけを提供し、主体的な学習者としての成長を促すキャリア教育こそが進路指導の根幹であるべきと考えているからです。

<過去の実施例>

( )内は協力機関


人間の不合理な行動を考える
~行動経済学入門~

 経済学には「人間は不合理な行動をしてしまう」と仮定し、研究対象とする行動経済学という新しい分野があります。不合理な行動の理由と、そのような行動をどうしたら避けられるのか、具体的事例を通して考えました。受講者は事前にクリッカーとして使えるソフトウェアを各自の端末にインストールし、講師の問いに手元の端末で回答、瞬時に結果を共有しながら進む双方向型講義でした。

(明海大学経済学部)

スポーツルールの謎に迫る
~オフサイドはなぜ反則か~

 スポーツには不思議なルールがたくさんあります。例えば、前パス禁止のラグビー、実測で測らない走り幅跳び、交互に打たなければならない卓球ダブルス、不規則な数え方のテニス…そして、その最たるものがフットボール系のスポーツに見られる「オフサイド」です。中学校での保健体育の豊富な教育経験を持つ講師と共にルールの歴史や社会的な背景を紐解きながら、文化としてのスポーツに迫りました。

(和光大学現代人間学部)


音楽を「する」音楽の授業って?

 「何のために学校で音楽を学ぶんだろう?」と思ったことはありませんか?そもそも音楽教育の目的は、「発声や演奏技術の修得」なのか、「合奏や合唱に伴う態度の育成」なのでしょうか。音楽を「する」こと自体が音楽教育の目標となっている、イギリス・ウェールズ地方の音楽授業を研究している大学院生を講師に、実際にその授業の一コマを体験しました。

(東京大学大学院教育学研究科学校教育高度化専攻教育内容開発コースDC)

あなたの知らないアザラシの世界

 北海道のオホーツク海沿岸、網走市のキャンパスから「片道250kmまでなら日帰り!」というほどアグレッシブにアザラシやトドなどの海獣を追い、ドローンやバイオロギングによってその生態に迫る研究者をお迎えした目からウロコのアザラシ講座でした。海獣類が更に進化するとどんな顔になるか?とか、雑食性の海獣の吐息はとても臭い…など受講生の「ゴマちゃん」像も変わったかも知れません。

(東京農業大学生物産業学部 北方圏海洋科学科)


スポーツ場面での「あがり」は、
なぜパフォーマンスを低下させるのか?

 スポーツでは、「緊張して力が出せなかった」という言葉をよく耳にします。なぜ、過度の緊張は競技パフォーマンスを低下させるのか? トップアスリートは、この緊張をどのようにコントロールしているのか? スポーツ場面で実力を最大限に発揮するために必要な心理学的知識や技法などについて分かりやすく紹介・解説して頂きました。

(新潟医療福祉大学健康科学部健康スポーツ学科)

人を調べる~
フィールドワーク・社会調査入門

 人の行為には、それが他者からどう見えるかに関わらず、その人なりの理由があります。社会学は、この理由について一方的に決めつけるのではなく、その人に聞いたり、住む社会に加わったりして調べます。講師は広島や沖縄で暴走族やヤンキーと呼ばれる人について参与観察を行ない、その統制と抵抗のせめぎあいを分析してきた気鋭の社会学者で、その調査体験をもとに、人の調べ方やそこで分かったことについて具体的に紹介します。

(和光大学現代人間学部人間科学科)